【現役パーソナルトレーナーが教える】糖類、糖質、炭水化物の違い

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最近は健康ブームということもあり、「糖質オフ」や「糖類オフ」といったキャッチコピーの商品を目にすることが多くなりました。
書店でも「糖質制限食」や「炭水化物制限ダイエット」などの本が並んでいます。
ですが、「糖類」、「糖質」、「炭水化物」の違いを知らない人は多いかと思います。
そこで、今回はこの言葉の違いについて解説します。

・糖類とは
・糖質とは
・炭水化物とは
・糖質制限中におすすめの食材

この記事をもとに正しい栄養学を身につけ、商品のキャッチコピーなどに騙されず、体づくりのための情報に役立ててもらえたら嬉しいです。

三大栄養素の「糖質」

毎日の食事の中で摂取する栄養素で重要なものとして、「糖質」、「たんぱく質」、「脂質」が挙げられます。これらは三大栄養素と呼ばれ、毎日の食事で欠かせないものです。
この三大栄養素のうちの一つである「糖質」について掘り下げて解説します。

※上記の画像はこれから解説する言葉の意味をわかりやすくイメージしてもらうための画像です。是非参考にしながらご覧ください。

糖類とは

「糖類」とは、単糖類もしくは二糖類といわれる分子量の小さい糖のことです。


〈単糖類〉

  • ブドウ糖(グルコース):自然界に多く存在する糖で、ハチミツや果物に含まれる
  • 果糖(フルクトース):ブドウ糖と同じく、ハチミツや果物に含まれる
  • ガラクトース:母乳、牛乳、乳製品に含まれる

〈二糖類〉

  • ショ糖(スクロース):砂糖といわれるものでブドウ糖と果糖が結合したもの
  • 麦芽糖(マルトース):麦芽を原料としており、ブドウ糖がふたつ結合したもので主に水飴の主成分として使われる
  • 乳糖(ラクトース):ブドウ糖とガラクトースの化合物で、母乳や牛乳、乳製品に含まれる

「糖類」の特徴として、他の「糖」と比べて血糖値を上昇させる特徴を持ちます。特にブドウ糖やショ糖が血糖値を上げやすいです。一方で麦芽糖や乳糖は血糖値を上げにくいとされています。

糖質とは

「糖質」とは糖類に加えて、糖類よりも分子量が多い(糖類がいくつも連結し、大きな分子となっているもの)多糖類や糖アルコールと呼ばれるものを含んだもののことです。


〈多糖類〉

  • デンプン:多数のグルコースが結合したもので植物の光合成で作られる
  • グリコーゲン:多数のグルコースが結合したもので動物の体内で合成される

〈糖質アルコール〉

  • キシリトール:糖アルコールの一種でトウモロコシの芯や白樺を原料としてつくられる
  • ソルビトール:糖アルコールの一種で海藻類や果物に含まれる

「糖質」のほとんどは体内で消化され、最終的に小腸で「単糖類(ブドウ糖や果糖)」の状態になり、小腸から吸収されます。吸収された糖は肝臓に送られ、一部は肝臓のエネルギー源となったり、グリコーゲンとして蓄えられたり一部は血中に放出されます。血中に放出される糖は主にブドウ糖の形になっており、脳や筋肉のエネルギーとして消費されます。

炭水化物とは

「炭水化物」とは糖質に加えて食物繊維を含んだものです。食物繊維には「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」に分類されます。


〈不溶性食物繊維の特徴〉ボソボソ、ザラザラした食感が特徴です。

  • 保水性が高い:胃や腸で水分を吸収して大きくふくらみ、腸を刺激して蠕動(ぜんどう)運動を活発にし、便通を促進
  • 繊維性状・蜂の巣状・へちま状:よく噛んで食べるので、食べすぎを防ぎ、あごの発育を促すことで、歯並びをよくする
  • 発酵性:大腸内で発酵・分解されると、ビフィズス菌などが増えて腸内環境がよくなり、整腸効果がある
  • 多く含む食品:穀類、野菜、豆類、キノコ類、果物、海藻、甲殻類(エビやカニ)の殻にも含まれる

〈水溶性食物繊維の特徴〉ネバネバ系とサラサラ系があります。

  • 粘性:粘着性により胃腸内をゆっくり移動するので、お腹がすきにくく、食べすぎを防ぎ、糖質の吸収をゆるやかにして、食後血糖値の急激な上昇を抑える
  • 吸着性:胆汁酸やコレステロールを吸着し、体外に排泄する(胆汁酸‥肝臓で作られえる液体で脂肪を吸収しやすくする役割をもつ)
  • 発酵性:大腸内で発酵・分解されると、ビフィズス菌などが増えて腸内環境がよくなり、整腸効果がある
  • 多く含む食品:昆布、わかめ、こんにゃく、果物、里いも、大麦、オーツ麦などに含まれる
  • 食品素材で使われる水溶性食物繊維:難消化デキストリン、ポリデキストロース、大麦βグルカン

炭水化物は糖質と食物繊維でできたものです。食物繊維は2種類に分かれていてそれぞれに特性があります。
食物繊維をとることで体内でさまざまな変化が起きます。
例えば、「便秘の解消」には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維は2:1の割合で摂取することで、便通を促すと言われています。食物繊維とうまく付き合うことが大切です。

糖質制限について 

ここからダイエットで最近注目されている「糖質制限ダイエット」について役立つ情報を解説します。

糖質「ゼロ」と糖質「オフ」の違いについて

ダイエット商品で「糖質ゼロ」、「糖質オフ」などの表記を見たことがあると思いますが、この2つの違いを理解していないと、糖質制限中の方にとっては「痩せない」などの大きな問題へと発展してしまいます。
そうならないためにも表記の違いについて解説します。
表記の違いは下記の通りになります。

・糖質、糖類ともに100mlあたり0.5g未満なら「ゼロ」と表示できる
・糖質、糖類ともに100mlあたり2.5g未満なら「オフ」と表示できる

このように「ゼロ」や「オフ」でも意味合いが変わってきます。また、ここまで読んでいただいた方は問題ないと思いますが、「糖質」と「糖類」でも全く意味が変わってくるので、しっかりと表記を見て商品のキャッチコピーに騙されず、自分に合った正しい食品選びを身につけましょう。

糖質制限中のおすすめ食材

糖質制限をしている方向けに、最後は糖質制限中のおすすめの食材とNG食材を紹介します。

〈おすすめの食材〉おすすめの食材は脂質が多く、かつ良質な脂や体調を整えるための食物繊維などです。

  • :たんぱく質が豊富で合わせて良質な脂もとれる
  • ナッツ:間食などの小腹が空いたときにおすすめ
  • オリーブオイル:食用油として使えておすすめ
  • mctオイル:摂取後素早く消化吸収されて、すぐにエネルギーに変わり、脂肪を体内に溜め込まないという特長を持ち、糖質制限ダイエットしている方は特におすすめ
  • イヌリン、難消化デキストリン水溶性食物繊維):食物繊維不足による「便秘」、「肌荒れ」を防いでくれる

〈NG食材〉NG食材は基本的に糖質が多く含まれるものです。

  • お米
  • パスタ
  • ラーメン
  • パン
  • 芋類・根菜類
  • かまぼこ、ちくわなどの練り物
  • 果物
    ビール、酎ハイ、梅

糖質制限ダイエットは糖質を抑え、高たんぱく・高脂質の食事をとる必要があります。上記の「おすすめ食材」と「NG食材」を参考にぜひ頑張ってください!
この記事が少しでも体作りに役立てられたら、嬉しく思います。

まとめ

・「糖類」とは、単糖類もしくは二糖類といわれる分子量の小さい糖のこと
・「糖質」とは糖類に加えて、糖類よりも分子量が多い多糖類や糖アルコールと呼ばれるものを
  含んでいるもの
・「炭水化物」とは糖質に加えて食物繊維を含んだもの
・糖質、糖類ともに100mlあたり0.5g未満なら「ゼロ」と表示できる
・糖質、糖類ともに100mlあたり2.5g未満なら「オフ」と表示できる
・糖質制限ダイエットは超低糖質・高たんぱく・高脂質の食事が大切

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