インターネットが普及したことで、さまざまな情報が飛び交い、「聞いたことあるけど、詳しくはわからないな〜」というシーンは多いと思います。
例えば、こんなことを聞いたり、思っている人は多いのではないでしょうか?
「痩せると噂のダイエット方法がたくさんあって何がいいのかわからない」「野菜を先に食べるといいって聞いたことあるけど本当?」「GI値って本当に役立つの?」
こんな悩みを今回は解決するために3つの研究結果をご紹介します。
この記事を読んでいただけると、こんなことがわかるようになります。
・「3つのダイエット法」の効果の違いについてわかります
・「野菜を先に食べる」効果についてわかります
・「GI値と糖尿病の関係」についてわかります
目次
低糖質・低脂質・バランス食の効果の違い
昔の食料がない時代は「生きるために食べる時代」でしたが、今では「生きるために痩せる時代」となりました。
その結果、たくさんのダイエット法が提案・拡散されています。
ダイエット法は「低糖質」「低脂質」その中間である「バランス」の3種類に大別されます。
これらのダイエット法の効果を調べた研究をまとめた報告があります。
たくさんの論文を集め、丁寧に読み解き、それを分類して結果をまとめるという手間な作業に反し、結果はとてもシンプルなものでした。
3種類のダイエット法の効果の違いは”どれも同じくらい痩せる”という結果でした。
「バランス」に比べて「低糖質」と「低脂質」では少し効果が大きかったですが、取り上げるほどの大きな違いではありませんでした。
結局、いろんな種類のダイエット方法がありますが、何がもっとも優れているということはなく、適切な食事管理があれば痩せるということです。
その中でも私はバランスのとれた食事制限をおすすめします。
なぜかというと、「低糖質」「低脂質」の食事は長期間続けることが難しいからです。
私自身、さまざまなダイエット方法を試しましたが、経済的・身体的な面からもバランス食をおすすめします。
「野菜先食べ」は糖尿病にいいの?
「野菜を先に食べると太りづらい」という話を私はよく耳にすることがあります。
なぜ太りづらいかというと、野菜を食べることで血糖値の上昇が緩やかになるからと言われています。特にこれは糖尿病の人にとっては良いとも言われています。
血糖値は胃に入った糖質が血液中に吸収されて上がります。胃の中にあらかじめ野菜を入れておけば、空っぽの胃に糖が入ってきた時よりも血糖値の上昇が緩やかになるのはいかにも正しい理論ともいえそうです。
これを実証した研究結果をご紹介します。
ー研究内容ー
日本人の糖尿病患者38人を19人ずつ無作為に2つの群に分け、片方の群は「3食とも野菜を先に食べてからごはん(炭水化物)」を食べ、もう一方の群は「3食ともごはん(炭水化物)を食べてから野菜」を食べるようにしてもらい、24時間にわたって血糖値を継続的に測った介入試験です。
また、健康な人たち42人を21人ずつ無作為に2つの群に分け、同じ試験を行いました。
この研究の結果、糖尿病の人でも健康な人でも、野菜を先に食べるとごはんを先に食べた場合よりも食後の血糖値の上昇が緩やかになりました。
この結果、健康な人にとっても「野菜先食べ」はいい影響をもたらしますが、それ以上に糖尿病管理においても好ましい食べ方なので、ぜひ参考にしてみてください。
GI値は糖尿病の予防・治療に役立つの?
最近では糖質制限ダイエットが流行り、「GI値」を参考にする人も増えてきました。
GI値とは血糖値が上昇する糖の吸収の速さを示したものになります。
「GI値の算出方法」や「血糖値が高いとどうなるのか?」詳細を知りたい方は、下の記事を参考にしてみてください。
低血糖スパイラル、血糖値が高い人は老ける!?、AGEs(終末糖化産物)とはについて
GIの高い食事は不健康や肥満を招く要因と言われていますが、本当にそうなのでしょうか?
健康な時の習慣的GIを計算しておき、その後の糖尿病発症率を観察した研究が世界にはたくさんあります。
その中で信頼性の高い15の研究をまとめた内容をご紹介します。
習慣的GIと糖尿病発症率との関連をまとめた結果、「習慣的GIが高い人ほど糖尿病にかかりやすく、低い人ほどかかりにくい」ことがわかりました。
しかし、研究ごとに見ると習慣的GIの効果はあまり一致していません。これはGIに期待しすぎてはいけないことを示しています。
「GIの低い食べ物を食べればそれだけで糖尿病にかからない」とか、「それだけで糖尿病が治る」といった単純なものではありません。
血糖値の上昇がしづらくても、食塩が増えて血圧が上がれば、糖尿病の人はそれだけでも心筋梗塞を発症しやすいと言われています。
少なくとも現時点では「これだけ守ればほかは何を食べてもよい」といった予防法や食事療法は糖尿病にはありません。今回紹介した研究結果も「GIが低い食べ物なら大丈夫!」とはいえません。
ほかの大切な予防手段や治療方法を守った上で、GIが低めの食べ物をおすすめします。
まとめ
・「低糖質」「低脂質」「バランス」食のダイエット効果は”どれも同じくらい痩せる”
・糖尿病の人でも健康な人でも、野菜を先に食べると食後の血糖値の上昇が緩やかになる
・習慣的GIが高い人ほど糖尿病にかかりやすく、低い人ほどかかりにくい(研究ごとに見ると習慣的GIの効果はあまり一致していないので、GIへの期待しすぎは注意)