毎日の食事で糖質は誰もがとっている栄養素の1つです。
人間のエネルギー源である糖質はとても大切ですが、そんな糖質のせいで体調を崩したり、ダイエットが捗らないようなことが起こりえます。
そこで、今回は「糖との付き合い方」につて解説します。
この記事では下記のことが学べますので、ぜひご覧ください。
・糖のとり方がわかり、健康やダイエットに活用できるようになります
・食後の眠気や集中力の低下を防ぐことができます
・老化を防ぐことができます
目次
血糖値について
「血糖値」は糖質の話をする上では外せません。
血糖値とは、血液が流れる血管の中にある糖質の濃度のことです。
血糖値は炭水化物を食べて消化吸収された後に上昇します。この上がった分の血糖を「インスリン」というホルモンが正常値まで下げてくれます。
このインスリンはどれだけ血糖値が上がったかによって分泌する量も変わってきます。
この「血糖値」と「インスリン」の働きによって、体に大きな負担がかかる場合があります。
低血糖スパイラル
この体の負担の原因は「低血糖スパイラル」です。
低血糖スパイラルとは血糖値が急に上がり、その後急に下がることを言います。
低血糖スパイラルが起きると、食後に眠くなったり、集中力が散漫になったりします。
これはインスリンが鍵を握っています。
インスリンは血糖値の上昇に伴って分泌されるのですが、通常は上がった分を正常な血糖値にまで戻す働き、いわば、上昇したところから正常値まで下がった分の糖を体に蓄える仕事をしています。
しかし、困ったことに瞬間的に血糖値が上がると、脳は「血糖値が上がりすぎた!」と判断し、インスリンを急いで分泌します。
こうなるとやっかいで、インスリンが出すぎて正常以下の血糖値まで下がってしまうことがあります。血糖値を上げるために食事をしたのに、逆に低血糖に陥り、また何かを食べたくなってしまう、「低血糖スパイラル」にハマってしまいます。
このような状態になると、眠気、集中力の低下、食欲増進などを起こします。
GI値とは
低血糖スパイラルを防ぐには、瞬間的に血糖値を上昇させるような食べ物を避ければいいということになります。
血糖値が上昇する糖の吸収の速さを示したものを「GI値(グリセミック・インデックス)」といいます。
下記に主な食品のGI値を載せています。
ブドウ糖はこの数値が100で、チョコレート91、白米88などのように、血糖値の上昇と相対する値として知られています。
この高GI食品が低血糖スパイラルを招く恐れがあります。
表にしたがい、高GI値の食品を避けることは大切です。しかし、意外にもコーラやビールなどは思いのほか値が低いと気づいた人もいるかと思います。
しかし、ここに意外な落とし穴があるので注意が必要です。
GI値の落とし穴
特に表で気になるのは、コーラ43、スポーツドリンク42、ビール34などの低さです。
一方、ニンジンやカボチャなどの野菜が高いことにも気付くと思います。
このGI値だけを頼りにしてコーラをガブ飲みしては非常に問題があります。このGI値がどのように測定されているのか知る必要があります。
〈GI値測定方法〉
GI値は食品から炭水化物50g摂取し、その血糖値の上昇度合いをブドウ糖100とした場合の相対値で表すとしています。
GI値=「試料」摂取時の血糖値上昇曲線の面積÷「ブドウ糖」摂取時の血糖値上昇曲線面積×100
この測定方法で大切なのは「面積」ということです。この数値は面積で求めているので、血糖値の上昇がゆっくり時間をかけて上昇する場合は高い数字が出て、短時間で血糖値が急上昇して急下降すれば低い数字が出ます。
つまり、液体で糖質が多く含まれるようなコーラなどの飲料は、急上昇&急下降するため、GI値は低く出ます。
また、野菜のGI値が高いのは、測定時の試料の問題です。
日本では白米のブドウ糖を基準に測定をしているようで、白米のブドウ糖50gはお茶碗1杯程度くらいですが、ニンジンのブドウ糖50gは200gのニンジン3本の量に相当します。
野菜は食物繊維も豊富で、そもそも白米と同じ基準で測定するのがおかしいです。
血糖値が高い人は老ける!?
糖が原因でシミ、シワ、たるみなどが発生しているのではないかと言われています。
その原因が「AGEs(Advanced Glycation End-products)」という「終末糖化産物」というものです。これは糖とたんぱく質が熱によって結合した物質です。
例えば、ホットケーキを焼くと、きつね色になりますよね。これはたんぱく質と糖が熱で結合した結果出る「メイラード反応」で、簡単に言うと「糖化」です。
AGEs(終末糖化産物)とは
炭水化物を摂取すると、血糖という形で全身に運ばれます。これが体内の筋肉や皮膚などのたんぱく質と結合してAGEsを作り出します。
そして、それがシミやシワ、たるみなどの原因ではないかと言われています。
また、外的なものだけではなく、糖のとりすぎによる白内障や心臓病の原因にもAGEsが関わっているそうです。血糖値が高いと、体内のAGEsが多いとされ、死亡や病気のリスクも一気に高くなる傾向にあります。血糖値が高い人ほど老けるのが早いと言われ、AGEsが関係してます。
AGEs(終末糖化産物)の増加を防ぐには
ではAGEsを防ぐにはどうすればいいのでしょうか。
それは急激に血糖値を上げる食品を選ばず、多量に摂取しないことです。
また、熱処理ですでに糖化したものにも含まれます。その約7%が体内に取り込まれます。
食べ物は生モノや発酵食品などではない限り、たいていが熱処理されています。熱処理されたものを完全に避けることはできないので、これも多量に摂取しないように注意しましょう。
まとめ
・「血糖値」とは、血液が流れる血管の中にある糖質の濃度のこと
・「低血糖スパイラル」とは、血糖値が急上昇して急下降すること
・「GI値」とは、血糖値の上昇指数のこと
・GI値は「面積」で求めるため、血糖値が急上昇、急下降する飲料などは値が低く出る
・「AGEs(終末糖化産物)」とは、たんぱく質と糖が熱結合した物質
・「AGEs(終末糖化産物)」は、シミ、シワ、たるみ、病気の原因になる
・「AGEs(終末糖化産物)」の増加を防ぐには、血糖値の上昇する食品や熱処理された食べ物を避け、量を減らす