【朝食抜きはやばい】セカンドミール効果と3つの研究

セカンドミール
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朝の5分ってすごい貴重ですよね。
あと5分だけ」と思いながら、ギリギリまで寝てしまいます。
早寝、早起き、朝ごはんは健康にいい!」なんてことを聞いたことがあると思います。
今回は特に朝ごはんに焦点をあてた内容をご紹介します。

こんなことでお悩みの方は多いのではないでしょうか?
昼食後に眠くなり、仕事に集中できない」「ダイエットをしたいけど、糖質ダイエットは嫌だ」「糖質ダイエットでリバウンド、失敗してしまった人」「糖尿病になりたくない
こういった悩みを抱えている人向けに今回は役立つ情報をご紹介します!

【このブログではこんなことがわかります】
・血糖値が安定化するようになり、日中の眠気やだるさが解消
・血糖値の安定化により、糖質をとりながらダイエットに臨める
・糖尿病の予防になる

・朝から食欲がわくようになる

血糖値の上がりやすい食べ方

カロリーのある食事、中でも糖が含まれた食事をとれば、血液の中の糖濃度(血糖値)が上がります。
脳が働くためのエネルギーはすべて糖に頼っています。
そのため、血糖が不足すれば脳は働かなくなります。これが低血糖です。
よくお腹が空くと「血糖値が下がる」と言いますが、問題になるほど下がりません。
ですが、糖尿病の人の場合、低血糖発作という危険な状態にもなりかねないので、注意が必要です。
血糖値を下げるホルモンはインスリンしかありません。そのほかはすべて血糖値を上げるために働きます。これは人間の歴史上を考えると、つねに食糧不足と闘っていた証拠です。


ここで簡単な質問です。
1日分のエネルギーと糖の量を3等分して朝食・昼食・夕食で均等に取る場合と、朝食を抜いて1日分を2等分して昼食と夕食でとる場合とで、昼食後や夕食後の血糖はどちらの食べ方の方が上がりやすいでしょうか?
もちろん答えは後者になります。


では、1日3食全体のエネルギーと糖の量は変えずに、朝食が重い日(たとえば2:1:1)と逆に夕食が重い日(たとえば1:1:2)だと血糖値の上がり方はどうでしょうか?
これは朝食と夕食のエネルギーと糖の量を入れ替えただけです。
1日全体として血糖値の上がり方は同じに考えられそうです。
はたして、そうなのでしょうか、、?

セカンドミール効果

2つ目の質問の条件にあてはまる実験の結果を紹介します。
こちらが実験内容です。

2型糖尿病の患者18人を対象として、全員に朝食中心型の食事と夕食中心型の食事をそれぞれ7日間ずつ食べてもらい、それぞれの最終日に血糖値の変化を測定したイスラエルの研究です。
どちらの食べ方も1日全体のエネルギーと糖の量は同じにしました。

この研究の結果、どちらの食べ方も昼食の内容は同じだったにもかかわらず、朝食を多くとった日は昼食後の血糖値の上昇が小さく、逆に朝食が軽かった日は血糖値の上昇が大きくなっていました。
このように朝食の違いが昼食後の血糖上昇に影響することがわかります。
最初にとる食事(ファーストミール)が、次にとった食事(セカンドミール)の後の血糖値にも影響をおよぼすことを、「セカンドミール効果」といいます。

そして、夕食後の血糖値の上昇はさらに大きくなっていました。
夕食の量が異なるので、ある程度は理解できますが、それを考慮しても朝食時の差と比べると、大きく違いがありました。

たとえ、1日の摂取エネルギーと糖の量が同じでも、夕食中心型の食事をとると朝食中心型の食事をとるよりも膵臓への負担が大きいことがわかります。
この研究は糖尿病患者を対象としていますが、健康な人でも似た結果が得られています。

朝食抜きと血糖値の上昇について

では朝食を抜いた時の血糖値の変化はどうでしょうか。
朝食抜きと血糖値の関連を調べた研究を紹介します。

2型糖尿病の患者22人を対象として、朝食の欠食がその日の昼食後ならびに夕食後の血糖に及ぼす影響を観察したベネズエラの研究です。
全員が2週間から4週間の間隔において、3食とも食べる日と、朝食を抜いて2食を食べる日の両方を経験した。
※朝食・昼食・夕食はすべてエネルギーが701kcal、糖が82g

この研究の結果、朝食を抜いた日のほうが午前中の血糖が低いのは当然ですが、昼食後と夕食後の血糖値は朝食をとった日よりもかなり高くなりました。
セカンドミール効果の影響が大きいことがわかりました。
また、血糖値の増加量を面積で表した「血糖曲線下面積」を測定した結果、朝食を抜いた日の方が大きく、膵臓への負担は朝食を抜いた日の方が重かったことがわかりました。

朝食と糖尿病の関係性について

糖尿病

ここまで「血糖値」や「朝食抜き」について紹介しましたが、ここからは「朝食と糖尿病の関係に関する研究」や「朝食を食べられない人」に向けたお話を紹介します。

朝食頻度と糖尿病リスク

朝食を抜いていた人と朝食を毎日とった場合で糖尿病のリスクに違いがあるのか研究をした結果を紹介します。

約5000人のアメリカ成人男女の生活習慣と健康状態を調べた上で、その後7回、25年にわたって朝食の摂取頻度とその後の糖尿病発症率と体重の変化の関連を調べ続けた研究です。

この研究の結果、朝食を抜いていた人たちに比べて、朝食を毎日とっていた人たちの糖尿病発症率はおよそ4割も低くなっていました。
さらに、体重に関しては、朝食を毎日とっていた人たちに比べて、朝食を抜いていた人たちは18年間で1.9kgだけ余計に体重が増えていました。
一見、逆のような結果ですが、ほかにもたくさんの研究で同じ結果が報告されているそうです。

朝食欠食のの問題

肥満が糖尿病の危険因子であることはすでに明らかになっています。
そうすると、「朝食を抜く→太る→糖尿病」というという経路が考えられます。
そこで、「太る」を経由しない経路は成り立つのか調べるために「朝食を抜く→糖尿病」の関連を計算した結果があります。(この章で参考にしている研究は前章の研究です)
調べた結果は予想通り、朝食を抜いていたことの影響は小さくなりました。
それでも、朝食を抜いていた人たちに比べて、毎日食べていた人たちの糖尿病発症率は2割程度低くなっていました。
これは「太る」を経由しない経路が存在することを示しています。
この経路として、セカンドミール 効果が考えられます。
朝食を毎日とっていれば、糖尿病発症率が下がるとはいいきれません。
ですが、ほかの研究でも同じくらいの予防効果が認められているので「ほぼ確か」くらいに考えていいと思います。

朝食を食べられない人

人は将来に関わる大きな問題よりも、目の前の快楽を選んでしまいがちです。
私もそういった経験は何度もあります。
たとえば、朝の5分間だけ余計に眠るために抜いた朝食によって、糖尿病にかかってしまうのであれば、大問題です。
「そんなことわかっていても、朝から食事をとる気になれない」と思う方も多いと思います。
私は仕事柄、大勢の方の食事指導を行なっています。
お客様の中に朝食をとれない人は一定数います。
そういった人の多くの傾向としては、夕食時に食事を食べ過ぎてしまい、翌朝は食欲がわかないというケースが多いです。
そのため、夕食は炭水化物や脂質の多い食事を極力抑えつつ、腹八分目以下の食事量にしてもらうと、朝食を食べることができる人が多いです。
朝から食事を食べれない人は、ぜひこの方法試してみてください。

まとめ

・最初にとる食事(ファーストミール)が、次にとった食事(セカンドミール)の後の血糖値にも影響をおよぼすことを、「セカンドミール効果」という
・朝食を多くとると、昼食後の血糖値の上昇が小さく、逆に朝食が軽かった日は血糖値の上昇が大きくなる
・朝食を抜くと、昼食後と夕食後の血糖値は朝食をとった日よりもかなり高くなった
・朝食を抜いていた人たちに比べて、朝食を毎日とっていた人たちの糖尿病発症率はおよそ4割も低かった
・朝から食事を食べれない人は、夕食のときに炭水化物や脂質の多い食事を極力抑えつつ、腹八分目以下の食事量にする

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